海洋ゴミ問題を真剣に考える意味 – 私たちの未来を守るために
- スタッフ
- 4月7日
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海は私たちの暮らしに欠かせない存在です。食料や資源を供給し、気候を調整し、多くの生き物たちの生息地でもあります。しかし、現在、世界中の海は深刻な汚染にさらされており、その中でも「海洋ゴミ問題」は特に大きな課題となっています。
プラスチックごみの増加、生態系の破壊、健康への悪影響、経済的な損失など、海洋ゴミが引き起こす問題は多岐にわたります。なぜこの問題を真剣に考えなければならないのか、そして私たちに何ができるのかを詳しく解説していきます。

1. 海洋ゴミの現状 – どれほど深刻なのか?
年間1,400万トン以上のプラスチックごみが海へ
世界では、毎年約3億トンのプラスチックが生産されており、そのうち1,400万トン以上が海に流出していると推定されています。これは、1分間に大型ダンプカー1台分のプラスチックごみが海に投棄されているのと同じ量です。
プラスチックごみの行方
海に流れ出たプラスチックごみは、波や紫外線の影響で小さく砕かれ、「マイクロプラスチック」となります。これが海洋生物に取り込まれ、食物連鎖を通じて人間の体内にも入り込んでいるのです。
2. 生態系への影響 – 生命の危機
誤飲による生物の大量死
プラスチックごみは見た目が食べ物と似ているため、多くの海洋生物が誤って摂取してしまいます。
・ウミガメは、ビニール袋をクラゲと間違えて飲み込むことがあります。消化できずに胃の中で詰まり、飢え死にしてしまうケースが報告されています。
・海鳥は、海面に浮かぶ小さなプラスチックを餌と勘違いし、ヒナに与えてしまうことがあります。その結果、ヒナが栄養不足に陥り、死に至ることもあります。
・クジラやイルカも、誤ってプラスチックごみを飲み込むことで体調を崩し、浜に打ち上げられるケースが増えています。

ゴーストギア「幽霊漁具」による被害
海に捨てられた漁網(いわゆる「幽霊漁具」)は、長期間海中に漂い続け、魚やカニ、ウミガメなどが絡まって命を落とす原因になります。この問題は、商業漁業の現場でも深刻な影響を及ぼしています。
3. 人間の健康への影響 – 目に見えない危険
マイクロプラスチックの脅威
海洋に漂うプラスチックごみは、紫外線や波の力で細かく砕け、「マイクロプラスチック」となります。これは5mm以下の微細なプラスチック片で、魚や貝類の体内に取り込まれ、食物連鎖を通じて最終的に私たちの体内にも入っています。
近年の研究では、マイクロプラスチックが血液や臓器に蓄積する可能性が示唆されており、長期的な健康リスクが懸念されています。また、これらの微細なプラスチックには有害な化学物質が付着しており、ホルモンバランスの乱れや発がんリスクの増加が指摘されています。
4. 経済への影響 – 失われる資源と利益
漁業への悪影響
プラスチックごみが増えることで、魚や貝の生息環境が悪化し、漁獲量が減少しています。さらに、漁網にごみが絡まることで、漁業の効率が低下し、漁師たちの経済的負担も増しています。
観光業への打撃
世界中の美しいビーチがプラスチックごみで埋め尽くされ、観光業にも悪影響を及ぼしています。観光客が減少することで、地域経済にも大きなダメージが生じています。

5. 私たちにできること – 今すぐ始められるアクション
この問題を解決するには、一人ひとりの行動が重要です。私たちにできる具体的な対策を紹介します。
① プラスチックの使用を減らす
・マイバッグやマイボトルを使い、使い捨てプラスチックの消費を減らす。
・プラスチック包装の少ない商品を選ぶ。
・リサイクル可能な製品を優先的に購入する。
② 適切にゴミを処理する
・ゴミをポイ捨てしない。
・正しく分別してリサイクルを徹底する。
・ビーチクリーン活動に参加し、海をきれいに保つ。
③ 環境に配慮した商品を選ぶ
・プラスチックフリーの商品を選ぶ。
・生分解性のある製品(竹製ストローなど)を使用する。
④ 啓発活動に参加する
・SNSで海洋ゴミ問題の現状をシェアする。
・企業や政府に環境対策を求める声を上げる。
6. 海の未来は私たちの手に
海洋ゴミ問題は、単なる環境問題ではなく、私たちの生活や未来に深く関わる重大な課題です。生態系の破壊、人間の健康リスク、経済的損失など、その影響は計り知れません。しかし、この問題は決して解決不可能ではありません。
私たち一人ひとりの意識と行動が、未来の美しい海を守る大きな力になります。今日からできることを始め、持続可能な社会の実現に向けて、共に行動していきましょう。

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