世界で進むプラスチック規制、日本はどう対応すべきか?
- スタッフ
- 3月29日
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世界各国でプラスチック規制が強化されており、日本も対応を迫られています。海洋プラスチック問題が深刻化する中、各国は法整備や技術革新を進め、プラスチックの削減やリサイクルの促進を目指しています。本記事では、世界の動向と日本が取るべき対応策について考察します。

1. 世界で進むプラスチック規制の動向
欧州連合(EU)
EUは「単一使用プラスチック指令(SUP指令)」を施行し、ストローやカトラリーなどの使い捨てプラスチック製品の販売を禁止しました。また、2025年までにペットボトルのリサイクル率を77%に引き上げる目標を掲げています。
アメリカ(カリフォルニア州)
カリフォルニア州では、2032年までにプラスチック製包装のリサイクル率を65%にすることを義務付けています。さらに、大手企業にはプラスチック使用量の削減計画を求めるなど、厳しい規制を導入しています。
中国
中国では、使い捨てプラスチック袋の提供を禁止し、代替となる生分解性プラスチックの利用を推奨しています。また、電子商取引プラットフォームに対しても、過剰包装の削減を求める規制を強化しています。

2. 日本の現状と課題
日本でも、2022年に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、使い捨てプラスチックの削減やリサイクルの推進が進められています。しかし、世界と比較すると、まだまだ対応が遅れていると言わざるを得ません。
主な課題
・プラスチックごみの排出量の多さ:日本は一人当たりのプラスチック容器包装の消費量が世界トップクラス。
・リサイクル率の実態:日本のプラスチックリサイクル率は高いと言われますが、その多くは「熱回収(焼却によるエネルギー回収)」であり、真の意味でのリサイクルとは言えません。
・企業の取り組みの遅れ:一部の企業ではバイオプラスチックの導入やリサイクル素材の使用が進んでいますが、広く普及するには時間がかかる状況です。
3. 日本が取るべき対応策
(1) プラスチック回収技術の進歩 日本は、プラスチックの回収・リサイクル技術において世界的に高い技術力を持っています。例えば、
・ケミカルリサイクル:プラスチックを化学的に分解し、再び原料として利用する技術。
・AIを活用した分別技術:AI搭載の分別機を活用し、より効率的なリサイクルを実現。
これらの技術を国内外で積極的に活用し、リサイクルの効率を向上させることが重要です。
(2) 法整備の強化
・プラスチック製品の生産・販売に対する課税制度の導入
・リサイクル率の向上を義務付ける規制
・企業によるリサイクルプログラムの義務化
(3) 企業と消費者の連携
・企業が環境負荷の少ない製品開発を行う
・消費者がエコバッグの使用やリサイクルに積極的に参加する
・地域コミュニティでの清掃活動やゴミ削減キャンペーンの推進

世界的に進むプラスチック規制に対応するため、日本も一層の取り組みが求められています。技術革新や法整備を進めると同時に、企業・消費者が一体となってプラスチック削減に取り組むことが必要です。持続可能な社会を実現するために、私たち一人ひとりができることを考え、実践していきましょう。
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